太陽光発電設備のメンテナンスは、簡単にできることもあります。
発電量の確認
基本的には、発電していれば大丈夫ですので、発電量を確認します。
瞬間発電量を確認
一番簡単な確認方法は、よく晴れた日にパワコンのその時の発電量を確認します。
発電量は計測機かパワコンの本体から確認できます。
パネルの合計が5.4kWで5.4kWの発電量がでていれば、まずは安心です。
※ただし、パネルの合計がパワコンの容量よりも大きい場合(過積載)は、パワコンの容量になります。
計測機が無い場合は、パワコン自体に表示される値からも判断できます。
複数のパワコンがある場合は、繋がっているパネルの枚数によって、発電量がかわります。
上記は4.7kWのパワコンが2台の例です。
(設計によっては、2台の容量が4.5kWと5.5kWなど異なることもあります。)
月間発電量を確認
長期的な目線で言えば、月間発電量や年間発電量から判断します。
販売店から提示された予想発電量や去年の発電実績と比較するわけです。
ただし、その場合、天気の影響で発電量が数十%変わりますので、目安となります。
上記の7月の発電量は2021年と2020年でほぼ同じですが、下記の6月の発電量は20%異なるため比較できません。
年間発電量を確認
年間発電量は年によって10%程度の違いはありますが、それほど大きく変わりません。
そこで、年に1回程度、昨年もしくは販売店から提示された予想発電量と比べることで正常に動いているかわかります。
しかし、年1回の確認では、故障しているときの機会損失が多くなってしまうというデメリットがあります。
開発中システムの例
そこで、開発中のシステムが活躍するわけです。
気象情報から、想定される発電量(黄色)を計算して、実際の発電量(オレンジ)と比較できるため、簡易的に故障を判断できます。
上記の実績は、夏場以外はパネルに影がかかる立地の為、想定発電量が実際よりも大きくなっています。(影の影響も考慮できるよう、今後、実装予定)
目視の確認
パネルを直接確認できる場合は、目視で確認します。
パネルの割れ・汚れ
カラスが太陽光パネルに石を落とすことがあるらしく、まれに屋上のパネルも落下物で割れることがあります。
また、パネル表面の汚れでも発電効率が落ちますので、水などで流すと数パーセント発電量が増えることもあります。
ただし、清掃時にパネルに乗るとパネルの内部が壊れることがあるため、絶対に踏んではいけません。
架台の錆・ケーブルのまとめ
架台が亜鉛メッキの場合、メッキが剥げて錆びていることもありますので、その場合、錆止めを塗ります。
設置後5年ぐらいから、まとめてあったケーブルが経年劣化により外れることもあります。
ケーブルの留め具が外れたことで、ケーブルが屋根に擦られて、断線することもあります。
ぶらぶらしたケーブルは、台風でパネルを痛めることもありますので、早めの修理が必要です。
ケーブルはインシュロック(プラスチックの紐)でまとめられている事が多いです。
インシュロックは屋内用(主に半透明)、屋外用(主に黒色)、専用品などの色々な種類があります。
間違って、屋内用を屋外で使用すると1年ぐらいで切れてしまいます。
一般の屋外用のインシュロックは10年近く切れませんが、亜鉛メッキとの相性が悪く5年ぐらいで切れることがあります。
ソーラーパネル用のインシュロックもあります。
通常の屋外用が1本約3円に対して、ソーラーパネル用は1本約30円ぐらいと高いです。
しかし、100本で3000円ぐらいですので、切れたときの作業の手間を考えれば安いと思います。
(業者に修理をお願いする場合、指定するか支給品として渡すのが良いです。)
配管
配管をふさいでいるパテが劣化して、箱に虫が侵入することがあります。
感電してショートしてしまう事もありますので、パテの外れなどが無いか確認します。
パワコン
パワコンにはファンがついているものがあり、ホコリがたまったりしているものがあります。
設置場所にもよりますが、定期的にフィルター清掃が必要な機種もあります。
パワコンの温度上昇は、寿命が短くなる原因になるため、注意が必要です。
また、屋外のパワコンは草のツルなどで故障することもありますので、定期的に確認してください。
モニタ(計測機)が壊れている場合
ほとんどのパワコンには発電量の積算計がついています。そこで、毎月値を確認して記録することで、発電量を管理することができます。
修理は専門業者へ依頼
無理をしない範囲で自分でできることまでは自分でメンテナンスをして、それ以上のことは専門業者に任せた方が良いです。
特に、断線していたりブレーカーを入れてもすぐに落ちるなど、完全におかしい場合は、すぐに太陽光発電に詳しい電気工事店に依頼してください。
詳細なメンテナンスは下記をご参照ください。
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